【老坑仏手柑硯】仏手柑という硯式は彫刻技法によって作硯テーマを表現する最たる姿のひとつである。今回は技術的演出を控える仏手柑を目指した。石を剥離させ、表面は仏の掌を抽象的に現すにとどめ、背面に五枚の葉を刻した。葉の様子を彫るも二枚におさえ、三枚はイメージでとどめた。すべてを説明せず見る側にテーマを想像する楽しみを残した姿を目指した。佳材転じて解釈多々、楽しみ深い硯式に導いてみたかったのだ。
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撮影:齋藤芳弘