【歙州長方淌池硯】明代の造形にみる壮麗さ漂う硯式の再現に取り組んだ。鳩胸型落潮の設置と曲面構造をふんだんに取り組んだ造形が、材の持つ優美な石紋との調和を助ける硯式である。気取りのない代表的な硯の姿だが、素材の優秀点を最も引き出せる様式のひとつであろう。なお、背面に施した額抜き(背抜き)は硯の自立安定性を助けるとともに、所有者が漢詩や銘を刻する場所として確保される。
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撮影:齋藤芳弘