たんけい れんようけん
中国日本ともに蓮の葉は吉祥図案題材として多く用いられる。 硯の世界では葉を描き刻する方法と、葉そのものに造形を寄せていく方法がある。 特に後者の場合は材の選別が肝心である。 石のように硬い葉は存在しないが、架空であってもどこか蓮の葉を感じられるものでなくてはならない。 人の手のひらに納まった時に「葉のような石」を感じられるものにしたく、数ある端渓の材の中から、清代産出の麻子坑を使用した。 この材は手を掛けることで高い硬度感を纏わせつつも滑らかな肌を作ることができる。 しかしながら硯とは不思議なものでどんなに硬い石でも主人の手の中で柔らかくなるものなのである。 時を経て主の想いと墨を受け、石が葉に育つことを願って取り組んだ。
撮影:河内彩
中国日本ともに蓮の葉は吉祥図案題材として多く用いられる。
硯の世界では葉を描き刻する方法と、葉そのものに造形を寄せていく方法がある。
特に後者の場合は材の選別が肝心である。
石のように硬い葉は存在しないが、
架空であってもどこか蓮の葉を感じられるものでなくてはならない。
人の手のひらに納まった時に「葉のような石」を感じられるものにしたく、
数ある端渓の材の中から、清代産出の麻子坑を使用した。
この材は手を掛けることで高い硬度感を纏わせつつも滑らかな肌を作ることができる。
しかしながら硯とは不思議なものでどんなに硬い石でも主人の手の中で柔らかくなるものなのである。
時を経て主の想いと墨を受け、石が葉に育つことを願って取り組んだ。